蓮見聖都のフランス留学記〜ロワール地方の生産者編〜
こんにちは。ハスミワインの蓮見聖都です。現在、フランスでフランス語とワインの勉強のために留学しています。このブログでは、その留学生活の様子をお届けしたいと思います。
ハスミワインのYouTubeチャンネルでは、留学中に訪れた街や村、生産者の元を訪れた時の様子をアップロードしていますので、ぜひご覧ください。現地のリアルな様子や雰囲気を感じ取っていただけると思います。(Youtubeはこちらからご覧ください!)
前回はボルドー地方の生産者について簡単にまとめましたので、今回は、「ロワール地方」の生産者訪問について簡単にまとめていきたいと思います。(南フランス生産者編はこちら)
まずは、ミュスカデ・セーブル・エ・メーヌのシャトー・ドゥ・コワンです。
AOCセーヴル・エ・メーヌですが、セーブル川とメーヌ川の間に挟まれたエリアのことを指します。そしてこのシャトー・コワンは、2つの川が交差する角(コワン)が敷地内にあり、その周りにブドウ畑が広がっています。まさにAOCセーヴル・エ・メーヌ始まりのシャトーです。
土壌は、グラニット土壌のエリアもありますが、メインはシスト土壌。しかし、フォジェールの様に表面にゴロゴロあるのではなく、地中に埋まっているそうです。
ワインの特徴はシュールリーの長さです。シュールリーとは、「澱の上」という意味。ワインを澱と一緒に熟成させる造り方で、基本的にはまろやかさがプラスされます。このシュールリーにもラベル記載の法律があり、ラベルに記載できるのは24ヶ月まで。しかし、コワンのラベルにはシュールリーの記載がありません。なぜでしょうか?
それは、24ヶ月をはるかに超えた48ヶ月。つまり4年間澱と一緒に熟成をさせて造るスーパー・シュールリーなので、表ラベルには記載ができないのです!(裏ラベルには記載があります)表ラベルに記載ができなくても、自分たちのワインにとってベストな方法で造る彼女たちのワインをぜひお楽しみください。
続いては、サヴィニエールのドメーヌ・プティ・メトリです。
ロワール渓谷らしく、谷の間から吹き抜ける風と太陽光のよく当たる畑を持ちます。ブドウ樹齢も平均30年以上と高く、深みのあるワインを造ります。
この辺りは大昔、海ではなかったので石灰岩ではなくアジールやシスト土壌が多いそうです。
彼の造るワインは、彼の人柄を表すかのように優しく、丸みのある綺麗なワインです。白、赤、甘口白ワインまで造っており、日本食との組み合わせのイメージが湧くワインも多く造っています。フルーティでミネラルあふれる彼のワインをぜひお楽しみください。
続いては、トゥーレーヌのドメーヌ・レンヌです。
全体が63haの畑を持ち、すべての畑でBio、オーガニックの仕事をします。基本の土壌はアジール(粘土質)やサブル(砂)です。畑には草が生い茂っており、水捌けもいいのでブドウの樹の根は水を探しに下に行きます。下に行くことでさまざまな年代や種類の土壌からミネラルや栄養を吸収し、色々なキャラクターや深みのあるワインへとなります。シュノンソーエリアの畑は、石灰岩もあるのでまた違ったキャラクターのワインを楽しむことができます。
彼のワインは、ソーヴィニヨン・ブランを中心にシュナン・ブランやシャルドネから造られるワインもあります。全体的に熟れたフルーツ感を感じることができ、ミネラルや軽やかなタンニン、丸みのある様々なキャラクターのワインをとのしむこと出来ます。
続いては、サンセールのドメーヌ・プレサンムレです。
彼で4代目の彼の畑は合計で約20haで、60%ソーヴィニヨン・ブラン、40%ピノ・ノワールです。ロワール地方ですがブルゴーニュのシャブリからも近く、サンセールでもキンメリジャンの土壌を見ることができます。斜面が多く、谷の様になっているサンセールは谷の片方の斜面にはキンメリジャン、反対側の斜面には石灰岩が多い土壌と分かれているのが特徴です。
彼のワインは、大きい木樽で約1年発酵熟成させた後、ステンレスタンクでもう1年寝かせた後に瓶詰めをしたり、樽のみで熟成をし、瓶詰めをしたりと様々なキャラクターを見せます。トロピカルな香りややりすぎない丁度いい樽感、フルーティでミネラルいっぱいの彼のワインをぜひお楽しみください。
以上、今回は南フランス地方の生産者訪問の簡単な紹介でした。
南フランスらしい軽やかなワインや、強さもある赤。さまざまなキャラクターのあるワインをぜひお楽しみください!
次回はロワール地方の生産者編です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。では、また。
ハスミワイン
蓮見聖都